プログラム

日程

  • 3月1日(月)
    ワークショップ
  • 3月2日(火)
    一般講演・招待講演・受賞記念講演
  • 3月3日(水)
    一般講演・招待講演・受賞記念講演
    特別講演・表彰式
  • 3月4日(木)
    一般講演・招待講演・プレナリー講演

※プログラム編成の都合により変更することがあります.

企画

一般講演
学生ポスターセッション
企業ポスターセッション
ワークショップ
特別講演
受賞記念講演
チュートリアル
セミナー

特別講演

以下の特別講演が開催されます.

IEEE Fields Medal受賞記念特別講演

“システムイノベーションとシステム科学”

日時

3月3日(水) 15:50~16:40

講師

木村 英紀 (東京大学名誉教授)

概要

これまでイノベーションの議論ば新しいデバイスや材料の発明や改良など要素技術に関わる技術革新に限定されてきた。この講演ではそれと同じくらい重要なイノベーションの範疇として「システムイノベーション」の概念を提示し、その歴史、性質、役割を述べる。システムイノベーションの学術的な基盤としての新しいシステム科学の必要性とその内容を述べる。

講師略歴

木村 英紀

木村 英紀 君(計測自動制御学会元会長)

1970年東京大学工学博士。大阪大学基礎工学部助手、講師、助教授、大阪大学工学部教授、大阪大学基礎工学部教授、東京大学工学系大学院教授を歴任。退職後は、理化学研究所バイオメディカル制御センターチームリーダ、理研 BSI-Toyota 連携センターセンター長、科学技術振興機構研究開発戦略センター主席フェローを務める。現在、早稲田大学招聘研究教授、理研 BSI-Toyota 連携センターセンター研究アドバイザー。東京大学名誉教授、大阪大学名誉教授。制御理論、システム科学を主な研究分野として数多の業績を上げた。制御工学最高の賞であるIFAC(国際自動制御連合)のGiorgio Quazza Medal でアジア初の受賞を はじめ、Automatica Paper Prize Awardを2回、IEEE-CSS Outstanding Paper Awardなど国内外において多数受賞。計測自動制御学会会長、日本学術会議会員、アジア制御協会初代会長、IEEE CSS理事、IFAC(国際自動制御連合) Councilメンバーを歴任。

プレナリー講演

“コネクティビティと自動車動力システムの制御”

日時

3月4日(木) 9:30~10:10

講師

申 鉄龍 (上智大学教授)

概要

社会のモビリティのあり方が大きく変わろうとしている中、自動車産業界ではCASE(Connected, Automated, Shared, and Electrified)革命に沸いている。その中でもコネクティビティと電気化は、「高エネルギー効率・低エミッション」化という自動車動力システムの宿命的な課題改善に大きな可能性をもたらすとともに、システム制御の学術視点からの技術革新を求めている。本講演では、コネクティド環境に置ける自動車動力システム制御の課題とその挑戦事例を紹介する。学習と最適化技術によるハイブリットパワートレインの過渡制御から始め、トラフィックシナリオベースの車両クラスターの分散制御、平均場ゲーム理論の視点からの大規模車群の制御手法等について講演者の研究実践を交えて述べる。

講師略歴

申 鉄龍

申 鉄龍 君(会員)

1992年3月上智大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士(工学)学位取得、同4月より上智大学理工学部機械工学科制御工学講座助手になり、同助教授、機能創造理工学科准教授を経て、2006年度より教授を務めている。中国吉林大学客員教授。ロバスト制御理論、非線形制御理論及び電力システムにおける応用などの研究を経て、2005年より自動車パワートレイン制御研究に従事。自動車動力システム、エンジン、ハイブリットパワートレインについて多くの論文を発表。計測自動制御学会では、論文集委員会をはじめ、学術委員会、学会賞委員会、部会や研究会の主査、副査を多く務め、2015年CCC—SICE Annual Conferenceの実行委員長、2021年同SICE Annual Conference実行委員長を務めている。

ISCS Invited Talk

“Wasserstein Distributionally Robust Control and Optimization for Ambiguous Stochastic Systems”

日時

3月2日(木) 13:10~14:00

講師

Insoon Yang, Seoul National University, South Korea

概要

Standard stochastic control methods assume that the probability distribution of uncertain variables is available. Unfortunately, in practice, obtaining accurate distribution information is a challenging task. To resolve this issue, we investigate the problem of designing a controller that is robust against errors in the empirical distribution obtained from data. The proposed framework using the Wasserstein metric has several salient features, including an out-of-sample performance guarantee, an explicit solution in the LQ setting, and a theoretical connection to the classical H_infty method. We further discuss its MPC variant and application to motion planning and control in risky environments.

講師略歴

Yang

Dr. Insoon Yang is an Associate Professor of Electrical and Computer Engineering at Seoul National University. He received B.S. degrees in Mathematics and in Mechanical Engineering (summa cum laude) from Seoul National University in 2009; and an M.S. in EECS, an M.A. in Mathematics and a Ph.D. in EECS from UC Berkeley in 2012, 2013 and 2015, respectively. He was an Assistant Professor of Electrical and Computer Engineering at University of Southern California from 2016 to 2018, and a Postdoctoral Associate with the Laboratory for Information and Decision Systems at Massachusetts Institute of Technology from 2015 to 2016. His research interests are in stochastic control and optimization, and reinforcement learning, with application to cyber-physical systems and safe autonomy. He is a recipient of the 2015 Eli Jury Award and a finalist for the Best Student Paper Award at the 55th IEEE Conference on Decision and Control 2016. He is an associate editor of the IEEE CSS Conference Editorial Board and a vice-chair of the IFAC Stochastic Systems Technical Committee.

受賞記念講演

以下の受賞記念講演が開催されます.

パイオニア賞受賞記念講演

「人の意思決定を含むシステムに対する制御理論の開拓と展開」

日時

3月2日(火) 9:30~10:10

講師

井上 正樹(慶應義塾大学)

概要

どれほど自動制御・AI技術が発展したとしても,制御・管理システムから人間の行動や意思決定を完全に除外することはできない.自動車では自ら運転を望む人は残るであろうし,人のいない都市インフラシステムはありえない.管理システムでは責任を伴う重大な意思決定は人間が行うことであろう.本講演では,人間の行動や意思決定が制御ループに含まれるHuman-in-the-loopシステムを対象として,新たな制御理論の開拓に挑む講演者の取り組みを紹介する.機械が人間を“ほどほどに”制御する弱い制御の概念とその制御システムの構造,そして内部モデル制御による実現を述べる.そして,弱い制御をもとにした航空管制システムやエネルギー管理システムや農業生産管理システムへの展開も紹介する.

講師略歴

井上 正樹

井上 正樹 君(会員)

2012年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了.同年4月より科学技術振興機構 FIRST 合原最先端数理モデルプロジェクト研究員,東京工業大学大学院情報理工学研究科特別研究員.2014年4月より慶應義塾大学理工学部助教,2018年4月より同専任講師となり現在に至る.2010年より2年間日本学術振興会特別研究員(DC2).博士(工学).動的システムの安定論に関する研究に従事.計測自動制御学会論文賞(2013,2015,2018年度),同論文賞武田賞(2018年度),同制御部門パイオニア賞(2019年度),システム制御情報学会論文賞(2014年度),電気学会産業応用部門論文賞(2017年度)などを受賞.IEEE,計測自動制御学会,システム制御情報学会の会員.

木村賞受賞記念講演

“Sparsity Methods for Systems and Control”

日時

3月3日(水) 9:30~10:10

講師

Masaaki Nagahara (The University of Kitakyushu)/永原 正章(北九州市立大学)

概要

In this presentation, we will introduce the maximum hands-off control, also known as L0-optimal control. Maximum hands-off control minimizes the length of the support (i.e. the L0 norm) of the control among all feasible controls. We will see that the L0-optimal control is equivalent to the classical L1-optimal control (also known as minimum-fuel control) under a mild assumption. We also show extension of maximum hands-off control to discrete-valued control and distributed control.
(References)
1. M. Nagahara, Sparsity Methods for Systems and Control (Open Access Book)
2. M. Nagahara, D. Quevedo, and D. Nesic, Maximum hands-off control, IEEE TAC, 2016

講師略歴

永原 正章

永原 正章 君(会員)

2003年,京都大学大学院情報学研究科博士課程修了.博士(情報学). 京都大学助手,助教,講師を経て,2016年より北九州市立大学環境技術研究所教授. また,同年よりインド工科大学ムンバイ校 (IIT Bombay) の客員教授を兼任. 専門分野は制御理論と機械学習.IEEE制御システム部門より国際賞である Transition to Practice Award(2012年) および George S. Axelby Outstanding Paper Award(2018年)をそれぞれ受賞. そのほか,計測自動制御学会や電子情報通信学会の論文賞など, 受賞多数.IEEEの上級会員 (Senior Member).著書に Sparsity Methods for Systems and Control (Now Publishers) や「スパースモデリング」(コロナ社), 「マルチエージェントシステムの制御」(コロナ社,SICE著述賞受賞),「ネットワーク化制御」(コロナ社)などがある.


チュートリアル1(プラントモデリングシンポジウム チュートリアル)

ビッグデータや深層学習を活用したプラントモデリングの最新動向

主催・企画

計測自動制御学会 制御部門 プラントモデリング部会

日時・場所

2021 年 3 月 3 日(水)10:30~15:20 オンライン(Zoom)

講師

講師 山戸田 武史(株式会社IDAJ),鈴木 航平(SOLIZE株式会社),都築 勝也(dSPACE Japan株式会社),坂寄 洋介(シーメンス株式会社)

概要

複雑化する各種システムはその持てるポテンシャルを最大限に発揮するために,制御システムによって多様な動作範囲の中でも最適に動作する必要がある.従来から実験を通じて得られた計測データを,伝達関数や応答曲面などによりモデル化することで,論理的・効率的に設計・適合を行うモデルベース開発が提唱されてきた. 近年,計測技術の進化やIoT,クラウドサーバーを活用したデータ蓄積によって,得られるデータは多様化・大量化し,いわゆるビッグデータと呼ばれるようになった.また,深層学習の進化は,学習データにより高精度なモデリングを可能とし,様々な分野への実用化が進んでいる. このため今回は,「ビッグデータや深層学習を活用したプラントモデリングの最新動向」と題し,ビッグデータや深層学習が,今後の制御システム開発や適合,検証手法へのどのように適用されていくか,事例交えて紹介し,それを支える実践的な開発ツール群に触れていく.

なお,本チュートリアルは以下の4つの講演から構成される.

・深層学習による応答曲面の進化と適用事例の紹介

・一般道向け自動運転シナリオ構築のセンサデータ活用

・データドリブン開発とセンサーモデリングの技術動向

・STPAを活用した設計品質の向上とデータ活用による検証の可能性

プログラム

10:30〜10:40(10分) 開催案内と挨拶 前半司会:西尾 唯(本田技研工業株式会社),後半司会:松井 義弘(福岡工業大学)
10:40 – 11:30(50分) 深層学習による応答曲面の進化と適用事例の紹介   講師:山戸田 武史(株式会社IDAJ)

講演概要:新しい機械学習分野である深層学習は,主に画像や音声のクラス分類で大きな成果を上げている.しかしながら,これらの深層学習技術はモデルベース開発において多用されるパラメトリックな数値予測モデルにも応用することが可能であることが分かってきた.深層学習を利用することで,今まで出力特性ごとに作成していたモデルを一つのモデルに統合することが可能となる.これは,深層学習の導入により実用性が向上している動的近似モデルにも適用できる.今回,GT-SUITEおよびPythonを用いたマルチ出力動的近似モデルの事例を紹介する.

11:30〜11:40(10分) 休憩
11:40 – 12:30(50分) 一般道向け自動運転シナリオ構築のセンサデータ活用   講師:鈴木 航平 (SOLIZE株式会社)

講演概要:近年自動運転に関わる技術開発が盛んに行われているが,この技術を実用化するためには,センサ類の挙動試験が必要である.この試験を公道で行おうとすると膨大な試行回数と時間が必要であり,その解決のためにコンピュータ上でシミュレーションを行うという手法がある.

自動運転のシミュレーションを作成するために,実際に走行した車両から得られたデータを取り込む場合,走行経路の一部分のみを切り取ったシナリオという単位で取り込むが,1日分の走行データだけでも膨大な数が存在し,どのシナリオをシミュレーションに取り込むかは人が決める必要がある.そうした場合,取り込む基準は定量的ではなく,選ぶ基準が変化する可能性がある.

今回,シナリオの選出を定量的に行うため,走行データの中でもLiDARデータを用いた.自車にとって危険なものを抽出することとし,LiDARデータによって自車周辺の物体追跡を行い,入力したシナリオに現れる人間や車両が自車にとって危険な要因となり得るかを算出する.そして,その程度によってシナリオの危険度を判定することで,定量的評価によるシナリオの抽出を行おうと試みている.

本講演では,弊社が取り組んでいるLiDARデータによる物体追跡に用いる手法やシナリオの評価手法,今後の展望について述べる.

12:30〜13:30(60分) 休憩
13:30 – 14:20(50分) データドリブン開発とセンサーモデリングの技術動向   講師:都築 勝也(dSPACE Japan株式会社)

講演概要:自動運転車用ソフトウェアの妥当性確認を実車で行うには,数十億から数百億kmの走行距離が必要だといわれている.この距離を実際に走行するのは開発の時間を考えると現実的ではない.そこでMBD(モデルベース開発)を使用したシミュレーション技術が活用されるが,自動運転ソフトウェアの開発においては,様々なセンサーを使用して集めた大量のデータ活用が要となる.さらにSAE Level3以上の自動運転車用ECUでは,AIなどを用いた画像認識などがソフトウェアとして実装され,複数のカメラやLiDARなどこれまでのADAS向けのアプリケーションとは異なるハードウェア構成も採用されている.これに対応するため,より現実に近いセンサーのモデリングが必要となる.本セッションでは,データを活用した自動運転車向けソフトウェアの開発及び妥当性確認の手法である,データドリブン開発(Data Driven Development)で行われる,データロギング,データマネジメント,データリプレイ,シナリオ生成,シナリオベーステストなどについて概要をまとめると同時に,データドリブン開発においてSIL(Software In the Loop)及びHIL(Hardware In the Loop)シミュレーションで使用される,カメラ,レーダー,LiDARなどセンサーのモデリングとシミュレーションについて言及する.

14:20〜14:30(10分) 休憩
14:30-15:20(50分)STPAを活用した設計品質の向上とデータ活用による検証の可能性   講師:坂寄 洋介(シーメンス株式会社)

講演概要:今日の先進安全システムや自動運転の必要性が高くなり,先進技術の導入とシステムの複雑化に対応するための仕組みづくりが必要となってきている. 複雑なシステム設計において,想定される多数の試験パターンをどのようにして必要十分に実施してゆくかが課題となっている.本講演では,システムズエンジニアリングから設計をはじめ,それを後工程につなぐ考え方として,STPA(System-Theoretic Process Analysis)の解説をする.システムズエンジニアリングとSTPAの手法を併用することによって,設計品質の“むら”を無くし,設計者が思い至らなかった設計要件を系統的に発見することができることについて解説する. こうして得られた設計要件,機能要件,非機能要件,法規要件,そのほか実験計画法などから得られる多数の試験パターンから,シミュレーションを活用することによって,重要な試験パターンを抽出し,実機を用いた試験を効率的に実施する方法について述べる. 多数の試験パターンの中から重要なものを選定する際には,安全指標を用いることや,市場のビッグデータの分析によって得られる指標を用いることが考えられる.重要な試験パターンの探索に対して,アクティブラーニングの考えについて述べ,その可能性について考察を示す.

講師略歴

yamatoda

山戸田 武史(やまとだ たけし)君

2003年東北大学大学院地球工学専攻修了.同年キヤノン(株)入社.ディスプレイ開発,CMOSイメージセンサ開発に従事.2015年より(株)IDAJにてmodeFRONTIERのプリセールス業務等に従事.2018年よりCAE領域における機械学習エンジニアリングサービス業務等に従事.現在に至る.解析技術3部

suzuki

鈴木 航平(すずき こうへい)君 2020年4月SOLIZE Engineering株式会社(現 SOLIZE株式会社)入社後,MBD事業部に配属.モデルベース開発(MBD)の研修後,制御システム開発,自動運転のシミュレーション業務に従事,現在は技術開発を行っている.大学院時代はロボット工学を専攻し,触覚VRに関する研究を行った.

tsuzuki

都築 勝也(つづき かつや)君 2005年日系自動車部品メーカーを経てdSPACE Japan(株)入社.HILアプリケーションエンジニアとして,国内のお客様向けにHILシミュレータ構築に従事.2010年グループリーダーとしてHILエンジニアリング全体を統括.2018年よりソリューション技術部にてドイツ本社との製品窓口及び製品戦略の策定などに従事,現在に至る.

sakayori

坂寄 洋介(さかより ようすけ)君 2018年よりシーメンス株式会社勤務.制御開発プロセス支援やエンジン適合業務自動化などにかかわるプロジェクトのビジネス開発に従事.

招待講演

はやぶさ2のタッチダウンにおける画像航法誘導制御:その戦略と成果

主催・企画

計測自動制御学会 制御部門

日時・場所

2021 年 3 月 3 日(水)10:30~15:20 オンライン(Zoom)

講師

講師 照井 冬人 (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトチーム)

概要

小惑星探査機「はやぶさ2」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発し2014年12月に打ち上げられた。2018年6月に人類未踏の小惑星「リュウグウ」に到着し,その後、1回目の超高精度タッチダウンとサンプル採取の成功,世界初の人工クレータの生成及びその過程の観測,その人工クレータ近傍への2回目の超高精度タッチダウンとサンプル採取の成功,これによる世界初の月以遠の天体の地下物質採取 等、宇宙探査の概念を一新する数々の成果を上げた。特にこれらの成果の中で、タッチダウンにおいては1度目の着陸精度1.08m、2度目の着陸精度60cmという世界初の快挙を成し遂げた。本講演ではこのタッチダウンでの航法誘導制御戦略とその成果について説明する。

講師略歴

terui

照井 冬人(てるい ふゆと)君

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構,宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトチーム,特任担当役 工学博士.1989年 3月 大阪府立大学大学院 工学研究科 博士後期課程修了. 同年  4月 科学技術庁 航空宇宙技術研究所 研究員.2003年 10月から 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 研究員.2015年 10月から現職. 主な研究分野は宇宙機の画像航法誘導制御.2008年からはやぶさ初号機の地球帰還の運用に従事すると共に、はやぶさ2のプロジェクトの立ち上げに関与。2010年から「はやぶさ2」プロジェクトチーム ファンクションマネージャーとして航法誘導制御サブシステムを担当。現在、特任担当役。

ワークショップ

以下のワークショップが開催されます.

ワークショップに参加される方は,参加申込時にチェックを入れて下さい.

ワークショップ1

「再生可能エネルギー発電導入拡大およびエネルギー有効利用のための制御技術」

主催・企画 

計測自動制御学会 MSCS2021実行委員会

日時・場所

2021年3月1日,9:20-11:55 オンライン開催

講師 

小岩 健太 (千葉大学),小林 宏泰 (早稲田大学),田村 淳二 (北見工業大学)

概要

近年,化石燃料の枯渇や地球温暖化などの問題が深刻化するにつれ,風力発電や太陽光といった再生可能エネルギー発電の導入拡大に加え,その発電電力の有効利用が重要視されています.上記問題を解決するためには,再生可能エネルギー発電導入拡大を実現することはもちろんのこと,そのエネルギーの有効利用法の構築が急務と言えます.本企画では再生可能エネルギー発電導入拡大の立場から制御技術を説明します.加えて,エネルギーの有効利用といった側面から電力系統の大規模負荷である鉄道などの移動体システムにおける最先端の技術を紹介します.

プログラム

9:20~10:05 (45分) 再生可能エネルギー平滑化制御 小岩 健太(千葉大学)

風力発電をはじめとした再生可能エネルギー発電の出力は大きく変動しています.そのため,その変動電力が電力系統に送電された場合,電力系統の周波数変動などの品質低下が生じます.本プログラムでは,風力発電を例に挙げ,その変動出力を平滑化するための制御技術を説明します.

10:15~11:00(45分) 直流電気鉄道システムの負荷平滑化制御 小林 宏泰(早稲田大学)

直流電気鉄道システムは,消費電力の変動が非常に大きい負荷として知られています.そのため,電力系統からみた直流電気鉄道システムの負荷特性改善のために,様々なアプローチが研究・開発段階にあります.本プログラムでは,直流電気鉄道システム側からのピークパワーカットのための制御技術を説明します.また,直流電気鉄道システムの一つの特徴である回生電力についても,その有効利用に着目した省エネルギー化技術について紹介します.

11:10~11:55 (45分) 再生可能エネルギー電源を有する電力系統の仮想同期発電機制御 田村 淳二(北見工業大学)

近年,風力発電や太陽光発電に代表される再生可能エネルギー電源の導入が進んでいます.しかしながら,これら再生可能エネルギー電源の導入拡大によって通常の同期発電機の稼働台数が減少すると,系統慣性及び同期化力が減少し,系統安定度が低下することが問題となっています.これに対して,インバータで制御される再生可能エネルギー電源を仮想的に同期発電機のように制御し,慣性や同期化力を模擬しようという仮想慣性制御,仮想同期発電機制御に関する研究が進められています.本講演では,これらの仮想慣性制御,仮想同期発電機制御の概要・現状に関して説明します.

講師略歴

小岩

小岩 健太(こいわ けんた)君

2014 年北見工業大学大学院博士前期課程修了.2017年,千葉大学大学院博士後期課程修了.同年千葉大学大学院工学研究院 助教となり,現在に至る.博士(工学).再生可能エネルギー発電,電力システム,パワーエレクトロニクスに関する研究に従事.電気学会,IEEEなどの会員

小林

小林 宏泰(こばやし ひろやす)君

2016年,千葉大学大学院博士前期課程修了。2019年,同博士後期課程修了。同年,早稲田大学理工学術院 助教となり,現在に至る。博士(工学)。主として,電気鉄道における蓄電装置応用システム及び鉄道車両駆動用電動機制御に関する研究に従事。電気学会,IEEE,自動車技術会などの会員。

田村

田村 淳二(たむら じゅんじ)君

1984年3月北海道大学大学院博士課程修了。工学博士。北見工業大学講師、助教授を経て1996 年10 月教授となり、現在に至る。1991 年9 月より10 カ月間米国テキサス大学客員研究員。同期機の解析理論、電力系統の安定度並びに風力発電システムに関する研究に従事。2008 年電気学会回転機技術委員会委員長、2010 年電気学会北海道支部長、2012 年電気設備学会北海道支部長。電気学会、電気設備学会、日本風力エネルギー協会、IEEE 会員。

ワークショップ2

「次世代システム制御理論にはばたく確率システム理論」

主催・企画

計測自動制御学会 制御部門 真なるダイナミクスの追究による次世代システム制御理論調査研究会 計測自動制御学会 制御部門 事業委員会

日時・場所

2021年3月1日,13:00-16:30 オンライン開催

講師

西村 悠樹 (鹿児島大学),細江 陽平(京都大学),伊藤 創祐(東京大学)

概要

Society 5.0に向けた科学技術の発展において,サイバーフィジカルシステムを記述するための理論体系としてシステム制御理論の担う意義は大きいです.特に,高度に複雑化したシステムの制御問題では,外的あるいは内的な確率的信号の存在が,制御対象のダイナミクスに無視できない影響を与えます.そこで本ワークショップでは,次世代システム制御理論に相応しい,より一般化へと向かう2つの確率システム制御理論を紹介するとともに,非平衡熱力学・情報理論・制御理論のインタラクションを俯瞰することで,参加者各位が確率システム制御理論の更なる発展の芽を発見することを目指します.

プログラム

13:00~13:10(10分)概要説明
13:10~14:10(60分)ラフシステム制御理論~確率システムを内包するより一般的な制御システム表現 西村 悠樹(鹿児島大学)

ホワイトノイズを含んだ確率システムの制御理論は,確率過程論に基づいているため通常の制御理論とは趣を異にしています.特に,確率微分方程式は常微分方程式とは「別物」であって,両者のギャップは長年の懸念事項の一つでした.近年提案されたラフパス解析は,ある意味でこれら二つの方程式をより一般的な枠組みで記述しているため,この概念を採用することで確率・確定システム制御理論の統一への道筋が見えてきました.本講演では,ラフパス解析をシステム制御理論に適用した「ラフシステム制御理論」を紹介し,制御理論に対するいくつかの具体的な貢献可能性について検討します.

14:20-15:20(60分)確率的動特性をもつ離散時間系の制御 細江 陽平(京都大学)

実対象とそのモデルの間にはギャップが生じることが避けられません.このギャップに関して何らかの統計情報ないし確率論的知見を利用できる場合,そのギャップを単に不確かさとみなしてロバスト制御理論を適用するよりも,対象を確率系とみなして確率システム論的な視点から制御を試みる方が,制御性能を向上させられることが見込めます.本講演では,状態遷移の仕方が時刻ごとに確率的に変化するような確率的動特性をもつ離散時間系の制御に関して,講演者らの成果を中心に紹介します.

15:30~16:30(60分)確率過程の熱力学におけるエントロピー生成と,最適化の数理 伊藤 創祐(東京大学)

確率過程に基づいた非平衡系の熱力学において,近年制御や最適化の数理の考え方が導入されつつあります.熱力学における最も重要な不可逆性の指標の一つにエントロピー生成と呼ばれるものがありますが,確率過程においてはこの量は情報理論と相性がよいため,制御や最適化の数理との関係が近年よく調べられています.特に我々は近年,情報幾何学と呼ばれる数理を用いて,このエントロピー生成に関する関係式や,エントロピー生成の時系列データからの推定問題について研究を行っており,その研究の中でも最適化の数理や制御の考え方が有効であったことを今回紹介します.

講師略歴

西村

西村 悠樹(にしむら ゆうき)君

2009年北海道大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了.同年,山口大学大学院理工学研究科助教,2012年,鹿児島大学大学院理工学研究科准教授,2015年,改組のため鹿児島大学学術研究院理工学域工学系准教授となり現在に至る.非線形制御や確率安定論を中心としたシステム制御理論および応用研究に従事.博士(情報科学).計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本応用数理学会,電子情報通信学会,日本機械学会,IEEE,SIAMなどの会員.

細江

細江 陽平(ほそえ ようへい)君

2013年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了.同年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻助教,2020年同講師となり現在に至る.2018年6月から2019年3月に LAAS-CNRS (Toulouse, France) の客員研究員.京都大学博士(工学).主に確率系やロバスト制御系を対象としたシステム制御理論とその応用に関する研究に従事.計測自動制御学会制御部門2018年部門大会賞,2020年度システム制御情報学会学会賞論文賞などを受賞.計測自動制御学会,システム制御情報学会,IEEEの会員.

伊藤

伊藤 創祐(いとう そうすけ)君

2015年,東京大学理学系研究科物理学専攻博士後期課程修了.同年,日本学術振興会特別研究員(PD),2017年,北海道大学電子科学研究所附属社会創造数学研究センター助教を経て,2018年,東京大学理学系研究科生物普遍性研究機構講師となり現在に至る.この間,2016年4月~2017年3月にAMOLF研究所客員研究員,2018年10月よりJSTさきがけ研究者.博士(理学).情報理論と統計力学の間の関係と,その生化学的な情報処理への応用に関する研究に従事.2015年3月東京大学大学院理学系研究科研究奨励賞,第11回日本生物物理学会若手奨励賞,第11回日本物理学会若手奨励賞(領域11)などを受賞.日本生物物理学会,日本物理学会などの会員.

セミナー

以下のセミナーが開催されます.

セミナー

「学生のための和文論文執筆のすゝめ」

企画

計測自動制御学会論文集委員会・制御部門

日時・場所

2021年3月4日15:30-16:30 オンライン開催

講師

足立 修一(慶應義塾大学)

概要

英文論文しか価値がなく,和文論文を書いて何がうれしいの? とお考えの超一流研究者のみなさんには関係ない話題でしょう.このトークでは,MSCSに参加している約95%の学生,そして,一流研究者・技術者をめざしている若手のみなさんが対象です.私が特にお話ししたいことは,母国語の教科書で最先端の技術を勉強でき,母国語で研究について議論し,そして論文を発表できる幸せを再確認してほしいことです.日本語できちんとした技術報告書や論文を書くことの重要性を述べ,そして,そのような論文を書くためにはどのようにすればよいかをお話ししたいと思います.和文論文がきちんと書けるようになれば,英文論文執筆のハードルはかなり低くなるでしょう。

講師略歴

足立 修一

足立 修一 君

1986年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程電気工学専攻修了.工学博士. 同年(株) 東芝入社.1990年宇都宮大学工学部電気電子工学科助教授,2002年同教授.その間,1993~96年航空宇宙技術研究所客員研究官.2003~04年ケンブリッジ大学客員研究員.2006年慶應義塾大学理工学部物理情報工学科教授となり,現在に至る.システム同定,制御理論とそれらの産業応用に関する研究に従事.計測自動制御学会創立30周年記念著述賞1等(1993年),計測自動制御学会著述賞(2007,14,19年),計測自動制御学会論文賞武田賞(2018年),計測自動制御学会論文賞(2019年),日本機械学会賞(論文)(1998年),電気学会産業応用部門論文賞(2016年),システム制御情報学会産業技術賞(2016年)などを受賞.計測自動制御学会フェロー.IEEE,電気学会などの会員.